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フイルムで撮っていた頃の話

By | 2018年5月30日

先日、西城秀樹さんが天国に旅立ちました。

僕は彼のCDジャケットを何度か撮らせてもらったことがあります。

 

ある雑誌のモノクロ1ページの撮影をさせてもらった時に、その写真をすごく気に入って下さって

なんと、いきなりCDジャケットの撮影依頼が来たのです。

 

それもオーストラリアロケでした。

 

まだ、フリーカメラマンになって間もない僕は、そのオファーを信じられませんでした。

 

僕にとって初めての、大スターと一緒の海外ロケです。

移動中や食事中など、

撮影以外では

いったい何を話していいのかわからなくて

ず〜〜と寡黙でした(笑)

 

そんな、ど緊張してる僕の気持ちを察して

西条さんの方から色々と話かけてくれました。

本当にやさしい方です。

 

そして、撮影中も

「宅間さん、ここでこんな感じの写真撮ろうよ!」って

いろんな提案をしてくれたのです。

 

西城さんも写真が好きで

休憩時間に僕が写真集「ペンキのキセキ」になった、剥げたペンキの写真を撮ってると、

「宅間さん、さっきからなに撮ってるの?」と僕に近寄ってきて

僕が「ペンキ撮ってるんですよ」と説明すると

「え〜おもしろそう〜!僕にも撮らせて」といって

パシャパシャ撮り始めたのです(笑)

 

僕もうれしくなって、いっきに緊張がほぐれて

いつもの自分に戻れました。

 

西城秀樹さん、本当にありがとうございます!

心よりご冥福をお祈り申し上げます。


この写真は日本で撮ったものですけど、この頃から写真集ブルー・ノートのタクマクニヒロのが見えますね(笑)

当時はポジフイルムで撮っていたので
今のように、撮影後に編集で色をブルーに変更するなんてことができません。

自分の好きな色を出すには、レンズの前に何枚ものフイルターをつけて、本当に一発勝負の職人技でした。
フイルムでこのブルーを出すのは、本当に大変でしたよ。

でも、それがあるから写真集「ブルー・ノート」が生まれたのです。

白い服の側が微妙に「にじんでいる」のはレンズの前に、ストッキングを被せて撮ったからです。