被写体とのコミュニケーション(特に女の子とのコミュニケーション)に自信がなかった僕はどうやって克服したのか?という話です。
「カメラマンへの道」を歩み始めていた頃の僕は、風景やスナップを撮るのは大好きだったのですが、人を撮る時にどう指示を出したらいいのかまったくわからなかったのです。
特に女の子に対しては、本当~~に苦手だったのです。
ある日、友達から「自分の彼女を可愛く撮ってくれないか?」と頼まれて「あっ、いいよ」と簡単に引き受けたのです。
自分は写真が上手いと思ってたので(笑)
ところが・・・
撮影日に友達の彼女を見てびっくり、これがメチャメチャカワイイわけで
「うわぁ~~可愛いなぁ~」と思いながら、近くの公園まで行って撮影を始めました。
そこで、初めて気がついたのです。
「オレって、女の子を撮るの初めてだ」・・・と、それも、こんなにカワイイ子を・・
さぁ撮影!!
女の子に立ってもらって、僕はカメラを構える
ファインダーの向こうにカワイイ女の子が見える
僕は無言でカシャカシャとシャッターを押し始める・・・・・・・・・ず~と無言で(笑)
女の子は、ただ立ってるだけで何をしたらいいのか分からなくて困った顔をしているわけで
カシャカシャとシャッターを押してる僕も、ただ、シャッターを押してるだけで、何を言ったらいいのか・・
まったく分からない・・・・頭の中が真っ白になる。
彼女と僕の間にいや~~な空気が流れるのが、女の子に鈍感な僕でも分かる(笑)
僕の背中からいや~な汗が流れてくる。
当然だけど、その時撮った写真はカワイイ女の子が困った顔をしてず~~と立ってるだけの写真でした。
僕は自分は写真を撮ることが人より上手いと思ってカメラマンを目指していたので、この彼女を撮るのも自信があったわけです。
この時、自分は風景を撮ったり、スナップを撮るのは自信があるけど、カワイイ女の子を前にすると萎縮してしまって、どう指示したらいいのかまったくわからなくなる、ということに気がついたのです。
『こんなことでは、プロになった時に女性を撮れないじゃないか!!』と、メチャメチャ落ち込みました。
でも、落ち込んでるだけでは「カメラマンへの道」を前進することはできないわけですね。
そこで僕がやったことは、まず同じクラスの女の子に「女性恐怖症を克服する為に協力してくれ!」とお願いしてテスト撮影をさせてもらったのです。
ヌードではありません、この頃の僕にヌードなんか撮れるわけがない(笑)
こうやって、学校の女の子達に頼んで、立ったり座ったり、笑ってもらったりと、色んな場所で
女の子にどうやって指示を出したらいいのか?ということを、納得いく写真が撮れるようになるまで訓練したわけです。
というより、自分に足りなかった女の子を撮る時の『女性恐怖症』に対する免疫力を付けたという感じかな。
こうやって数多くの女の子に指示を出しながら撮るという訓練をして「こんな感じに指示すれば大丈夫」と、自信がでてきたのです。
ただ、モデルがみんなクラスメイトなので本当に自信がついたのかどうかわからない。
そこで、試す為に街に出たのです。
日曜の原宿に行って「あの子カワイイ」と思った子に「写真を撮らせてもらえませんか?」声をかけて、初対面の女の子を撮る実践をしようと試みたのです。
これがなんと・・恥ずかしいのなんの・・・なかなか声をかけられない。
一回目は、半日ほど原宿をウロウロしただけで、一人も声を掛けることができませんでした。
そこでまた・・・「こんなことでは、プロになった時に女性を撮れないじゃないか!!」と、またまた落ち込んだわけです。
そして、次の原宿・・・
「プロになった時に女性を撮れなくてもいいのか!!」と、自問自答しながら原宿に行きました。
この時もやっぱり、一人にも声をかけることはできませんでした(笑)
そこで、声をかけるのは辞めて、代々木公園の前ででカワイイ格好をしている女の子達が集まって、歌ったり踊ったりしてる場所があったので、そこでその子達を撮ることにしたのです。
ここではたくさんのアマチュアカメラマン達が彼女達を撮っていたので、僕もその人達に混じって声をかけていたのでまったく恥ずかしくなかったわけです。
また、この場所にいる子達は写真に撮られることが好きらしく、カメラを向けるといい表情をしてくれるんです。
この子達の撮影を毎週日曜日に何回かやってるうちに、街で初めて会う女の子に声をかけるということに免疫ができたわけです。
僕の中に「オレ、もう大丈夫かも」と自信が生まれてきたのです。
そして、また原宿の街で女の子に声をかけて写真を撮らせてもらうということに再チャレンジしたわけです。
ある日、「あっ、あの子カワイイ!!」という子を見つけ・・・心臓をバクバクさせならが走って行きました。
「ス、スミマセン・・・あのぉ~~専門学校で写真の勉強をしてるモノですが・・・あなたの写真を撮らせてもらえませんか?」と・・とうとう言ってしまったのです。
すぐ断られると思ってドキドキしてたら・・
「私はいいんですけど、お母さんに了解を得ないとダメなんです」と言われたのです。
僕はどしても彼女を撮りたかったので「じゃぁ、一緒に家まで行って僕がお母さんに話してもいいですか?」と言ってしまったわけです(笑)
そして、彼女の家に行きお母さんに会い自己紹介をして「写真を撮らせて欲しいのですが」とお願いしたわけです。
すると、お母さんはどこの誰だかわからない僕とカワイイ自分の娘を1対1にするのが不安だったらしく(当然でしょうね)「兄が一緒ならいいですよ」と言ってくれたのです。
そして「ありがとうございます!!お兄さんと一緒でよろしくお願いします」とお礼を行って、無事撮影許可が下りたというわけです。
今思っても「よく女の子の家まで行ったな」と、あの頃の自分に感心しますね(笑)
そして、いよいよお兄さん同伴で彼女の撮影スタート日です。
彼女もアイドルではなく普通の子、僕もまだプロではありません、だから撮影日にスタイリストやヘアメイクなんて当然いません。
ところが・・・
当日待ち合わせの場所に現れた彼女は、カワイイワンピースを着て、麦わら帽子をかぶって、上から下まで、まるでプロのスタイリストがコーディネイトしたんじゃないか、と思うくらい素敵な格好で現れたのです。
とにかく、そこにいる彼女は原宿で声をかけた日以上にカワイかったのは確かです。
この頃の僕は、クラスメイトの女の子や代々木公園で女の子を撮る訓練をしたお陰で、カワイイ女の子を撮ることに不安はまったくありませんでした。
それより「よ~~し、これで、本当に自分が女の子を撮れるのか、試せる」と思うと、うれしくてしょうがありませんでした。
そして、撮影!!
ファインダー越しに彼女を見ながら「そこに座ってみて、今度は横向いて、笑ってみて」と、どんどん指示を出せました。
シャッターを押しなががら「女の子を撮るって、こんなに楽しんだ!」という自分がいることに、僕自身が驚いてましたね。
こうやって、僕の場合、女の子という被写体を撮る時のコミュニケーションに自信がなかかった、という部分を克服したのです。
実はこの話には後日談があって・・・
この時撮った写真を、ある雑誌のコンテストに応募したのです。
なんと・・僕がグランプリを受賞してしまったのです。
その時の、グランプリの写真に対しての有名なプロカメラマンの方が「グランプリの宅間君、プロにもなかなか撮れない実に素直な作品だ、中途半端なテクニックに頼っていないのがいい」と選評してくれていたのです。
いや~~うれしかったですね。
この時の景品は、なんとグアムサイパン旅行と一眼レフカメラ一式でした。
貧乏生活をしていた僕は、もちろんグランプリはうれしかったけど景品の方がうれしかったのです。
この時もらったカメラは、速やかにお金に換えました(笑)
*自信がないことから逃げないで
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いつも為になるお話ありがとうございます。
毎回楽しく見てます。
質問なんですが、当時撮影していたときは自然光のみですか?それとも、他にライトは使っていたのですか?
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苦手な時からグランプリまでの変遷を見てみたくなるお話ですね。
素朴な疑問なのですが、カメラマンには色々な形があって、別に人を撮らない人も沢山いるわけですよね。そういう別の選択肢もあった中、タクマさんは、最初に苦手だと思ったけど、訓練しようと思った動機はなんでしょう。
苦手があることを乗り越えたかったのか、女の子を撮れるカメラマンになりたいという願望があったのか。
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ご無沙汰しております。
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